結婚相談所の運営が失敗してしまう原因は様々ですが、今回は「価格設定・サービス提供」について書いていきたいと思います。
価格設定については非常に難しいところがあり、もちろん価格の設定については「サービス」が有りきです。
しかし、この当たりを充分に理解出来ていないと、結婚相談所の運営は失敗に終わってしまいます。
目次
価格の理由は説明できるのか
結婚相談所の運営にあたって非常に大切な価格設定ですが、意外と「価格設定の理由」について説明出来ない結婚相談所は多いのでは無いでしょうか?
大抵は「加盟連盟がこのくらいの値段でと提案しているので」という基本的な価格設定をベースに考えられているのですが、ではその価格設定で他社に比較して優位になるかどうかという点については熟考が足りないのでは無いかと感じます。
他業種を例に取ると、例えば工事やプログラマーといった業種であれば「時間当たりの工賃」を設定し、工期を確認することによりおおよその価格設定が可能です。
プログラマーを例に上げると、東京都内では一時間あたりの工賃がだいたい「5000円前後」になるのが通常かと思います。
しかし、結婚相談所の場合は「入会金・登録金=5万円」となっているケースが多いです。
この金額の根拠に関しては、恐らく「加盟連盟からの提案」といった程度ではないでしょうか。
仮に面談登録が2時間で完了するのであれば、入会費用・登録費用の時給はなんと・・・「25000円」になります。
もちろん、システムへの登録料などが必要な場合もありますし、その費用で写真スタジオやメイクなどを依頼しているケースも非常に多いかと思います。
しかし「メイクアップ・ヘアセット・写真撮影はオプションで」といった価格設定の場合はハッキリ言って「高価」では無いでしょうか。
提供しているサービス内容と価格の整合性について
提供しているサービス内容と価格の整合性が取れているか、という点も非常に大切です。
例えば、会員からの問い合わせや悩みの相談を無制限に受け付けていて、お見合い相手を推薦する為に様々な結婚相談所に連絡をとり、積極的にお見合いを提案している結婚相談所があります。
反面、会員を会員データベースに登録し、あとはネットでお相手を探してください、というスタンスの結婚相談所もあります。
この両者の金額が同様だった場合、顧客がどちらを選ぶかという点について真剣に考える必要があります。
恐らくですが「サポートが手厚い結婚相談所」を選ぶ可能性が高いでしょう。
価格設定が安いのか・高いのか、という点だけを見てしまうケースは非常に多いのですが、実はそれだけが大切な訳ではありません。
複数の加盟連盟に加盟しており、紹介可能人数の分母が多い結婚相談所と、一社のみに加盟している結婚相談所が同じ値段の場合、どちらが選択されるでしょうか?
これもやはり「紹介可能人数が多い結婚相談所」にアドバンテージが有るのは当然です。
そんなの当たり前では?と感じられる方も多いかと思いますが、実は案外このあたりを理解されている方は多いとは感じません。
ただ「ほしい金額」を設定しているのは絶対にNG!
一歩間違えてしまうと「ただ自分が欲しい金額を顧客に要求してしまう」ということになってしまいます。
この価格設定は全くもって「顧客にとって魅力的」ではありません。
考えてみて頂きたいのですが、もしSクラスのベンツが80万円だったら欲しいと思いませんか?ROLEXの腕時計が4万円だったら?
ドラえもんのどこでもドアが4980円だったら欲しくありませんか?
顧客が魅力を感じる「価格とサービス」は何なのか。この点について非常にシビアに考えていく必要があります。
ただ「提供したいサービス」を設定しているのも絶対にNG!
結婚相談所開業に合わせて、様々なセミナーなどに参加し、いろいろなメソッドを吸収。そういったノウハウを提供サービスに導入し、他社よりも「高めの値段」で提供したい。
そういった考えをお持ちの方もいらっしゃいます。
もちろん。これ事態に全く問題はありません。
しかし、その提供サービスが「顧客にとって魅力的か?」という疑問を常に持って頂くことは大切です。
また、それらのノウハウが「成婚できる」という根拠・論拠についても充分に熟考が必要です。
中には「費用が安くてサービスが薄い結婚相談所を探している」という方もいるかもしれません。
そういった方にとって「サービスたっぷりの高めの結婚相談所」というのは全く魅力的には見えないでしょう。
あくまで、買うか買わないかは顧客の選択です。独りよがりになってしまうと顧客に見放されてしまいます。
導入費用が安い方が良い?成婚料が安い方が良い?
結婚相談所の価格設定は様々ですが、例えばですが「入会・登録費用が8000円」という結婚相談所があるとします。月会費は8000円、お見合い費用は5000円、成婚料が250000円とします。
反面、「入会・登録費用が5万円」の結婚相談所があり、こちらは月会費8000円、お見合い費用は5000円、成婚料が180000円とします。
顧客にとってどちらが魅力的か、という点について考えたことはありますでしょうか?
恐らくですが、前者の方が魅力的です。理由は明快で、結婚相談所に入会した後に成婚できる保障が全く無いからです。
成婚できるかどうか解らない結婚相談所に入会するのに五万円を払うのか。それとも8000円を支払うのか。大きな差があります。
これはあくまで一例ですし、入会・登録時に経費が必要な場合もありますので一概には何が正しいかは言えませんよね。
しかし、このあたりを深く検討するということは非常に大切です。
ペルソナについて考える必要
ペルソナ、という言葉をご存知でしょうか?これはマーケティングを行う際、ターゲットの事を事細かに分析した結果のことです。
例えばですが、都内在住のOL30歳女性、年収は300万円、家賃は75000円、読んでいる雑誌はなにか、月になんど飲み会に参加するか、好きな服のブランド、月にどれくらい化粧品にお金をかけているか、どこに住んでいるか、ランチに使っている金額、など上げればキリがありません。
この「ペルソナ」をきちんと考える重要性としては「どれくらいの価格であれば利用しやすいか」という点と「どういったサービスを望んでいるのか」という点です。
こういった背景を考え続けると一つの真実に突き当たります。「40代男性で、年収が650万円」の方と「30代女性で年収が300万円」の方で、結婚相談所に費用を支払う負担の大きさが全く異なるのです。
もちろん、40代男性と、30歳女性であれば成婚のしやすさというのは全く異なりますよね。また、世代が異なるため消費動向も全く異なります。
特に30代後半以下の世代は「ミレニアル世代」ですので、出費に関しては非常にシビアです。反面、それよりも上の世代はバブルの影響で出費に関しても大胆な側面があります。
ペルソナに対して価格・提供サービスの内容は適切か?
そもそも、28歳~34歳までの女性は非常に成婚が出やすい世代です。反面、35歳以降から、4~50代の女性会員の成婚は簡単では無いでしょう。
また、男性も4~50代、いままでお付き合いの経験が少ない、といった方であれば成婚は中々難しい側面があります。
そもそも全く異なる性質をもつ会員に対して、提供するサービスの内容・量・質は異なるはずなのに、設定料金・提供サービスは全く考慮されていないパターンも非常に多いかと思います。
もちろん、ざっくりとした料金設定で対応されており、成果も上がっているという場合は問題がありません。
しかし、いま現在成果が上がっていない、という場合は「ターゲットについて熟考し、価格・サービスを決める」「徹底的に競合を調査」する必要があります。
特に同地域の結婚相談所の情報を得ることは、加盟連盟などに所属していれば全く難しくないかと思います。
他社の強み、自社の強み、そういった点も充分に考慮して、価格が幅広い顧客に魅力的になっているか、提供サービスが幅広い顧客に魅力的になっているか、そういった点については最も熟考すべきポイントです。
最後に
顧客接点がほとんど無い結婚相談所の方向けに、顧客接点を持ちやすい「恋活サービス」のご提供や、この様な価格設定や提供サービスをより魅力的に見せる為のウェブマーケティング、コンサルティングなどを対応しております。
結婚相談所を開業したものの、このままでは失敗に終わってしまう・・・、といったお悩みにもアドバイス可能です。
ぜひご気軽にご相談くださいませ。